自然分娩をサポートする方法:アロマ出産
その昔、中世ヨーロッパのお産婆さんたちは、香りのいい草を煎じて、お産のときに使いました。妊婦たちは陣痛の激しい痛みから逃れ、すこやかに子どもを産んだとか。
けれど、この光景はとんでもない誤解を招き「産婆が、何やら怪しげなことをしている!」と、ついに彼女たちは魔女裁判にかけられてしまったと伝えられています。
これが、アロマテラピー出産のルーツだとか。
悲しい歴史ですが、一方で、アロマテラピーには驚くべき安産効果があると裏づけられた話でもありますよね。
現在では、産婦人科のドクターや助産師が医学的研究を踏まえ、アロマを妊娠中や出産、産後のケアに役立てています。陣痛、出産時にアロマをたく、陣痛中のフットバスやマッサージ、産後のボディケアに使用するなど、用途はさまざま。
アロマテラピーを取り入れていない産院もありますが、アロマオイルを持参すれば、対応してくれることもあるので、事前に相談してみましょう。セルフケアとして取り入れてもいいですね。
自己流は禁物
アロマテラピーは、自己流でやらないこと。
妊娠初期に使うと流産してしまう可能性のあるアロマオイルもあるし、アロマの有効成分は胎盤を通して、おなかの赤ちゃんに届きます。専門家のアドバイスや専門書などで、きちんとした知識を得て使いましょう。
妊娠中は肌もデリケートになっているので、アレルギーが起こらないかパッチテストをしたり、通常より濃度を薄くして使用することも肝心。
また、有機栽培で無添加の良質のオイルを選ぶなど、妊娠中のアロマテラピーはふだん以上に注意が必要です。
妊娠中のお助けアロマ
たとえば、つわりの不快な気分を改善するには、レモンやオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系のアロマオイルがおすすめ。
ティッシュやハンカチに数滴たらして、その香りをかぐと気分すっきり。食欲もわいてきます。柑橘系の香り成分には、消化器官を助ける働きがあるのです。
また、妊娠後期に向かっておなかが大きくなってくると、多くのママを襲うこむらがえり。これには、痙攣を鎮める作用があるラベンダーや、ほてった筋肉を沈静させるペパーミント、筋肉疲労をやわらげるローズマリーカンファーなどを、ベースとなるオイルに垂らしてブレンドしてマッサージします。
出産時のお助けアロマ
陣痛や出産に役立つオイルもたくさんあります。たとえば、クラリセージやジュニパーには分娩促進や陣痛の痛みを緩和する作用、ローズやイランイランにも陣痛の痛みをやわらげる作用、ジャスミンやクローブ、ゼラニウムには子宮収縮作用があります。
これらをお産の進行に合わせて、部屋中に香らせたり、またベースとなるオイルにブレンドして腰や背中をマッサージします。
洗面器に熱めのお湯を張って、アロマオイルを数滴垂らし、足浴するのも効果的です。