自然分娩をサポートする方法:ラマーズ法出産
ラマーズ法とは?
「お産は苦しくて当たり前。耐えるべき」という先入観をとり払って、「リラックスして臨めば、必要以上に苦しまなくてすむ」…このように陣痛のからくりを解き明かしたのが、ラマーズ法の出発点。
もともとは旧ソ連の医療チームが提唱した分娩法ですが、フランスの産科医・ラマーズ博士が改良し、痛みを和らげる分娩法として確立し、広まりました。
大切なポイントは次の4つ。
- 出産のメカニズムをよく理解しておくこと。
- 呼吸法を行うこと。
- 信頼できる人に立ち会ってもらうこと。
- 自分自身の力で産むというポジティブな意識を持つこと。
これらは、まさにお産の本道。お産の流れや仕組みを事前に知っておけば、必要以上に心配することがなくなりますし、陣痛時は呼吸法に集中することで痛みから気をそらし、ママにも赤ちゃんにも必要な酸素をからだに送ることができます。
また愛するパートナーや家族、友人と分娩室に入り、一緒に呼吸法を実践してもらったり、必要に応じてサポートしてもらうことで「ひとりで産むのではない」という安心感が芽生えます。こうしてリラックスできれば自分自身の産む力が発揮できるというわけです。
4つのポイント全てを実践するのは難しいかもしれませんが、1のお産のメカニズムに詳しくなることや、2の呼吸法などはレッスンできますね。この二つをウォーミングアップしておけば、4の自分自身の力で産む意識は、自然と備わってくるものです。
産院や両親学級などで、呼吸法だけをピックアップして教えてくれるところもありますし、新ラマーズ法として、ソフロロジーの手法を取り入れているところもあります。
ラマーズの呼吸法
1. まだ余裕のときは、深呼吸
まだ痛みがそれほどでもなく「あれ、きたかな」と思うくらいのときは、深呼吸で息を整えます。鼻から息を吸い、口からゆっくり吐きましょう。緊張がほぐれて体の力も自然と抜けていきます。
2. 陣痛がきつくなってきたら
陣痛の波が5分間隔くらいになって、陣痛がきつくなり始めたら、まず深呼吸し、次に「ヒッ、ヒッ」と短く2回息を吐いてから、「フー」と長く息を吐きます。
3. いきみのがしの「ウン」をプラス
陣痛の波が1~2分間隔になり、いきみたくなっても、まだ、ちょっと待って! まずは、深呼吸。「ヒッ、ヒッ」と短く吐いて、「フー」っと息を吐いたら、口を閉じて「ウン」と鼻から息を抜くように吐きます。また、おしりの穴を瞬間的につぼめるような気持ちで、「ウン」と鼻から息を抜くいきみのがしも使って、上手に乗り切りましょう。
4. いきむときは深呼吸で息を止めて
子宮口が全開大になって、いよいよいきんでいいときが来たら、陣痛の波に合わせてタイミングよく2回深呼吸して、3回目で息を止めていきみ続けます。陣痛が遠のいたら、リラックス。
5. 頭が出る時はハッハッハッ
赤ちゃんの頭が出る時には、口をあけて、短促(たんそく)呼吸。「ハッ、ハッ、ハッ」と短い呼吸で。いよいよ、生まれますよ! 赤ちゃんの頭が出てきたら、決していきまないように。全身の力を抜くように「フー、フー」と深くゆっくりの呼吸にすると、赤ちゃんはスッと出てこれます。