自然分娩って?

自然分娩って?

自然分娩と聞くと、陣痛誘発剤や会陰切開などの医学的な処置をいっさい行わない、昔ながらのお産婆さんによる出産シーンをイメージする人が多いかもしれません。でも、実はちょっと違うんです。

そもそも「自然分娩」とは、お産を医療的に管理する「無痛分娩」と大きく区別するために使われている言葉。麻酔や陣痛誘発剤などの薬剤を投与して痛みの感じ方をセーブする無痛分娩に対し、自然分娩は呼吸法やイメージ法などによって、私たち人間に本来備わっている力を引き出して痛みからくる不安や緊張を和らげ、産む力をフルに発揮できるようにあみ出された方法です。

自然分娩では、自然に陣痛が訪れるのを待ち、お産の流れに添って経膣から出産しますが、母子に危険な状態が発生したときには、医療処置が行われます。金属のへら型の鉗子(かんし)やおわん型の吸引カップなどを使って赤ちゃんを引き出したり、場合によっては帝王切開手術も行われます。

また、母体のおなかに分娩監視装置を付けて、赤ちゃんの心音や心拍、陣痛の強さや陣痛間隔をチェックしたり、いざというときの血管を確保するために点滴しながらお産を進めることもあります。

自然の産む力を引き出しながら、母子の安全のために臨機応変に医学の力でサポートしていくのが、現代の自然分娩なのです。

これから紹介するのは、こうした自然分娩をよりよくサポートするための方法です。それぞれが独立してあるのではなく、たとえば「ソフロロジー+アロマ」、「アーユルベーダ+アクティブバース+立ち会い」など、複数を組み合わせることもあります。

また、産院がこうした手法を取り入れていなくても、自分で練習したり、勉強してできるものもありますし、出産時だけでなく妊娠中のマイナートラブル改善に効果的なものもいろいろあります。無痛分娩や帝王切開と決まっていても、知っておくときっとお役立ち。自分に合った方法が見つかるといいですね。