帝王切開が基本、条件がよければ経膣分娩も
双子ちゃんや三つ子ちゃんでも、経過が順調で、赤ちゃんの向きや位置などの条件が揃えば、経膣分娩できるケースもまれにあります。
帝王切開になるのは「一絨毛膜一羊膜や一絨毛膜二羊膜」「出口に近い赤ちゃんが逆子」「後の赤ちゃんが横位」「微弱陣痛が長引いて子宮口の開きが悪い」「ママや胎児にトラブルがあって緊急に出産しなければならない」など、単胎妊娠の場合とは全然違います。
一番大切なことは、単胎では39週、40週に産むことが赤ちゃんには一番安全なのですが、双子の場合はこれが36週、37週と早い時期となります。この時期を過ぎるとお腹の中で突然赤ちゃんが亡くなったりすることが増えてくるのです。
だから、たとえ早産の時期を乗り越えても、分娩の準備ができる前に赤ちゃんを産まなければならなくなり、帝王切開となることが多くなります。
また、最近の研究で二番目の赤ちゃんが生まれるまでに時間がかかると、その後の経過が悪くなるとのこともあり、二番目の赤ちゃんのことを考えて最初から帝王切開を選ぶことも多くなりました。
特に、一絨毛膜二羊膜や一絨毛膜一羊膜の場合は、胎盤を二人が共有しているので、一人が経膣分娩で生まれた後に二番目の赤ちゃんの心音が悪くなることが多いので、帝王切開のほうが安全といえます。
そのため、病院によっては特にトラブルがなくても全て帝王切開にする方針のところもあるので、出産前によく相談しておきましょう。
(2008年7月から掲載)