性器脱
読み方
せいきだつ
症状の説明
子宮や膀胱、直腸などが下がって、体外に出ている状態。
「子宮下垂」は子宮が下がってきてはいるものの膣内にとどまっている状態で、「子宮脱」は、子宮が膣入口からはみ出し、体外に出てくる状態をさす。
妊娠・分娩によるダメージや、閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって、骨盤底を支える筋肉や靭帯(じんたい)が緩み、子宮が重力で垂れ下がってしまうことが原因。個人差によるものが大きい。
下腹部の違和感や性器の下垂感・脱出感があり、炎症を起こして出血することもある。
また、膀胱脱や直腸脱を併発している場合が多い。
妊娠・出産を希望している場合は、骨盤体操などで様子をみたり、膣内にペッサリーを挿入して一時的に固定する方法をとることが多い。
根本的に治療するためには、手術が必要。
伸びた子宮頚部を短く切除し、靭帯を補強する「マンチェスター手術」「ハルバン手術」や、ポリプロプレン製の薄い網状の素材で支える「メッシュ手術」、子宮の全摘出、膣の閉鎖手術などがある。
子宮だけでなく、膀胱や直腸も下がっていることが多いので、基本的には、子宮だけでなく膀胱や直腸も手術で上にあげて固定しないと、症状は軽快しない。
下垂の程度や年齢によって、治療方法を選択する。
(2009年10月から掲載)