薬よりもタバコのほうが心配

妊婦さんからはよく、「風邪薬を飲んだんですが、赤ちゃんは大丈夫でしょうか?」と聞かれます。とても深刻な顔で薬の相談に来た人が、じつは日常的にタバコを吸っていたりします。

タバコと市販薬などの薬とどちらを心配するべきものなのか、というと、私はタバコのほうがはるかに有害だと思います。薬で胎児に影響が出るものはごくごく少数。明らかにリスクがあるものはわかっていますから、そんなに心配しなくていいんです。

タバコにはニコチンをはじめとする、たくさんの有害な化学物質や添加物が含まれています。ところが、実際どんな成分が入っているのか、きちんと公表されていないのです。

食品には原材料や添加物などの表示義務がありますが、タバコには法律の規定がない。これもとても怖いことだと思います。

(2007年5月から掲載)