喫煙を他の行動に置き換える

ニコチンの依存には、心理的なものもあります。タバコを吸えばラクになる、という気持ちですね。これには今、「行動変容」という手法がよく使われています。自分のどんな行動と喫煙が結びついているか、まず、生活パターンを考えてみましょう。

たとえば、「朝起きたら吸う」とか、「食後に吸う」など、タバコを吸うときには、必ずそういうパターンがあるでしょう? それを換えるのです。

朝起きて一服したくなる人は、それを軽い体操の時間にする、食後にゆっくり座っていると吸ってしまうなら、すぐに歯磨きをするとか、お茶碗を洗うとか。喫煙を別の行動に置き換えてみるのです。

口寂しさを紛らわせる方法としては、昔からよく、冷たい水を飲むといいと言われていますが、妊婦さんには、酢昆布を食べたり、シュガーレスガムを噛んだり、また、ニンジンやきゅうり、大根などの野菜スティックを作っておいてそれを食べる、などの工夫を勧めています。

人によってやることは違うでしょうが、自分のどんな行動とタバコが結びついているかを、よく考えてみてください。また、これまで禁煙に失敗した人は、どんな時に失敗したのか、どうしたら失敗しないですむか、なども考えてみましょう。

そして、何よりも大事なのはタバコを身近に置かないこと。思い切ってタバコを全部捨ててしまいましょう。夫など家族のタバコも障害になります。家にタバコがあるから、つい吸ってしまうのです。

さあ、今日から、この話をきっかけにして、ぜひ夫婦で禁煙に取り組んでください。

(2007年5月から掲載)