薬情報を得るのは難しい!

「こんな薬を飲んでしまったけれど、大丈夫でしょうか?」

私たち産婦人科医は、妊婦さんから毎日のようにこうした相談を受けます。しかし、これに答えることは実はとても難しいことなのです。

薬の情報はなにしろ膨大で、しかも日々刻々と変化しています。医師といえども、また薬の専門家である薬剤師でさえも、個人レベルでそれらの情報を手に入れることは、ほとんど不可能なんです。

でも、妊婦さんの不安になんとか応えていきたい。

そこで虎の門病院では海外のデータベースと契約したり、薬剤部のスタッフを増員したりして、世界の最新の薬剤情報を入手できるような体制を整えて、〈妊娠と薬の外来〉をスタートさせたんです。20年ほど前のことです。

今は週1回、完全予約制で薬の相談を受け付けています。

こうした病院を全国的にもっと増やそう、という動きはあります。成育医療研究センターを中心に、全国でもこうした動きが広がりつつあります。

(2007年9月から掲載、2014年11月改訂)