リスクがあっても必要な薬は使う

胎児にリスクがあるとわかっていても、妊娠中に薬を使うことがあります。たとえば、てんかんの薬です。

てんかんの発作を起こしてしまうと、そのこと自体が赤ちゃんにとってはリスクになるので、「安全な薬」という前に、「必要な薬」なのです。

リスクは上がるけど、「治療上の有益性が危険性を上回っている」と考えるからです。

ですから、患者さんには、ある程度リスクがあることをお話します。

胎児のどの時期にどういうリスクがあって、他の患者さんはどう対応したか……などなど。持っている情報をもとにお話します。あとは夫婦で相談してもらいます。

1%でもリスクが上がったら絶対イヤと言う人もいるし、リスクが高くても、2人の子どもだから産もうと考える人もいます。

(2007年9月から掲載、2014年11月改訂)