妊娠後期に乳管開通を
お産が近づいてくる妊娠35、36週頃になると、おっぱいが母乳を出す準備をはじめて、分泌物がたまって張りを感じるようになってきます。
乳管開通とは?
おっぱいには、母乳の通り道「乳管(にゅうかん)」が5~10本通っています。これが閉じたままだと、産後、母乳がなかなかうまく出てこないんです。出口が塞がったままでおっぱいが張ってくると、乳腺炎の原因にもなります。妊娠中から5~6ヵ所、開通しておくと、産後に母乳がスムーズに分泌されます。
乳輪の周りに5本の指をあてて、押すように圧迫してください。その刺激で乳管が開いて、分泌物が少しにじんできます。詳しくは、下記のやり方をチェックしてください。分泌物が出てこない場合でも、出産までの乳管開通を続けていきましょう。
乳管開通は、かなり痛いと感じる人が多いと思います。でも、なんとか我慢してがんばって! 赤ちゃんのおっぱいを吸う力はとても強く、初めての授乳のときから容赦なく吸ってきます。乳管開通で刺激に慣れておくことは、授乳の練習にもなるんです。
乳管開通以外には、特殊な乳房マッサージは必要ありません。妊娠中は自分の乳首に親しむ、乳管開通を促す、それに尽きます。
でも、今、産科医は安全にお産をするだけで精一杯で、母乳育児やそのための乳房開通まではなかなか手が回らないというのが実情です。ぜひ、ご自身でやってみてくださいね。
乳管開通のやり方
1.乳輪の周りに5本の指をあてて、奥へグッと押し込む
2.そのまま、乳頭を包み込むようにしてつかんで、前に引っ張る
3.前に引き出したら、5本の指で乳首を軽くしごく
(2010年8月から掲載)