母体血マーカー検査/出生前診断・解説辞典
妊婦の血液検査によって、胎児の染色体異常の確率を測る。「トリプルマーカー」と「クワトロテスト」の2種類ある。
時期
検査時期
妊娠15~18週
検査結果
約10日後
対象となる疾患
21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、二分脊椎
検査方法
血液検査
概要
母親の血液に含まれるたんぱく質、ホルモンの値と、母体年齢から、リスクが判定される。妊娠週数、体重、家族歴、糖尿病の有無などの要素も考慮される。「トリプルマーカーテスト」は3種類の成分を、「クワトロテスト」は4種類の成分を調べる。クワトロテストのほうが、21トリソミーの精度が高い。
検査結果は、「ダウン症の確率が500分の1」など、確率で示される。ダウン症は1/295、18トリソミーは1/100、開放性神経管奇形は1/145(開放性二分脊椎の場合は1/290)という基準値があり、これよりも高い確率になると、スクリーニング陽性と判定される。
しかし検査の精度は決して高くない。あくまでリスクを推定し、羊水検査に進むかどうかを考えるための判断材料の一つ。
費用
2~3万円
注意点
この検査で「ダウン症:スクリーニング陽性」と判定されて羊水検査を受けた人のうち、実際にダウン症だったのは約4%。残りの95%以上の胎児は正常。(クワトロテストの場合)
出生後に染色体異常と診断された赤ちゃんのうち15~20%は、この検査では「スクリーニング陰性」であった。つまり、検査結果が陰性でも、異常をもった胎児が生まれる可能性がある。(クワトロテストの場合)
21トリソミーと18トリソミーは、この血液検査よりも、超音波検査で胎児の後頸部の厚さを測る「NT計測」と鼻骨の有無、血流を調べたほうが、検査の精度が高い。
(2012年11月から掲載)