一般の超音波検査/出生前診断・解説辞典

通常の妊婦健診で行われているエコー検査。胎児の成長を確認し、大きなトラブルがないかを診る。

時期

妊娠中の全期間

検査方法

妊娠初期は膣にプローブという器具を入れて、中期以降はお腹にプローブを当てて、画面に映し出される超音波画像を見て診断する。所用時間は5~10分以内。

概要

多くの妊婦・胎児の中から、精密検査をするべき対象を拾い上げるための検査。主に、胎児推定体重や羊水量、胎位、心拍動などを測定。それ以外については、どこまで診るかは施設や医師により異なる。

妊婦にとっては赤ちゃんの成長を実感でき、メモリアルとして受け止める向きもあるが、医療的にはあくまで検査であり、ときとして外表奇形や心臓奇形などの疾患がわかることもある。このため、通常の超音波検査も「広い意味で‘出生前診断’の一つ」とされている。 通常の妊婦健診では時間的にも費用的にも制限があるため、より詳しく診てもらいたい場合は、「特殊超音波外来」「胎児ドッグ」などを受診する。

心配な点が見つかった場合は再検査を行い、必要に応じて大きな病院の小児科・産科に紹介される。

注意点

検査回数の多さや、写真やビデオをくれるのは二次的な「サービス」で、超音波検査の妥当性や正確性とは関係がない。超音波専門医や専門検査技師が診れば、妊娠中5回の検査で、おおまかにリスクの高い人をふるいにかける「スクリーニング」ができるとされている。

近年は、超音波検査で胎児の障がいがわかった場合に告知を希望するかどうか、事前に妊婦から同意をとる病院が増えている。

(2012年11月から掲載)