羊水検査:妊婦健診の検査
検査の目的
お腹の赤ちゃんの染色体を調べるための検査です。赤ちゃんを包む羊水には、赤ちゃんの皮膚や粘膜などの細胞が混じっているため、お腹の表面から注射針に似た長い針で羊水を採取し、細胞を培養して調べます。希望者だけが受ける検査ですが、検査が原因で流産する可能性もまったく否定はできません。
検査では、染色体の数や部分的な構造の異常がわかります。そのひとつであるダウン症は、個性的な顔立ち体つき、発育や知能の遅れ、心臓に障害が出ることがあります。しかし、その程度はさまざま。治療法はありませんが、その子に合った教育や生活指導をしていくことで、社会生活への適応能力を高めていくことができます。
ほかに、女性のみに現れる性染色体異常もあります。生まれてから新生児浮腫、心疾患、低身長、無月経などで発見されることもあります。子どもが成長し、不妊症だったことでわかる場合もあります。障害として表に出ず、一生を通じて気づかれないものもあります。知的な障害が少ないこともあり、低身長に対してはホルモン療法などのケアもできます。その意味では染色体異常は病気や障害ではなく、個性とも言えます。
また、この検査で異常がなかったとしても、胎児に障害がないとは言えません。羊水検査ではわからない臓器の奇形や代謝異常は、いろいろあります。
この検査は、結果によっては難しい判断が必要となります。主治医やカウンセラー、夫婦間で、よく話し合いましょう。
検査する時期
妊娠初期(16~17週)
検査の方法
超音波の器械で胎児や胎盤、羊水の位置を観察しながら、穿刺針を子宮の中へ挿入して、15~20mlの羊水を採取する。
検査の内容
羊水中の胎児細胞を培養した後、Gバンド分染法という方法で染色体の数や形などを調べる。
(2012年9月から掲載)