羊水検査/出生前診断・解説辞典

子宮内の羊水を採取して成分を調べ、胎児の染色体異常や遺伝性疾患を診断する。

時期

検査時期

妊娠15~19週頃

検査結果

約2週間

対象となる疾患

ダウン症、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体の数の異常。また、両親や親族に遺伝性疾患がある場合は、関連する遺伝子を調べることもできる。

検査方法

エコーで胎児や胎盤の位置を調べて、針を刺す位置を決め、腹部を入念に消毒する。超音波画像を確認しながら、腹部から子宮内に向けて針を刺して、10~20mlほど羊水を採取する。意識のある状態で行われるが、ふつうの注射程度の痛みなので、局所麻酔はかけない場合も多い。所要時間は10分程度。採取した羊水は検査機関に送られる。検査後、30分ほど院内で安静に待機し帰宅。

概要

胎児の染色体異常や遺伝性疾患の確定診断ができる検査。特殊な手技や遺伝性疾患の知識が必要なので、一部の病院・クリニックだけで行われている。

検査の対象は以下の通り

35歳以上の高齢出産、親や上の子に染色体異常がある、親がX連鎖遺伝病や先天代謝異常症を保因、超音波検査や母体血マーカーテストで異常が疑われている、その他、重篤な胎児異常の可能性がある。

費用

8~20万(検査の内容によって異なる)

通常行われているのは「G-band法」といって、1~22番染色体とX・Y染色体の、数の異常と構造異常を調べる羊水検査。結果が出るまでに約2週間かかり、費用は8~10万円前後。

「FISH法(蛍光in situハイブリダイゼーション法)」は、13・18・21番染色体とX・Y染色体の数の異常だけを調べるもので、2~3日で結果がわかる。これはG-band法とセットで行われるもので、二つ合わせると20万前後。

注意点

検査によって破水、感染、流産などのリスクがわずかにあるので(確率0.3~0.1%)、検査を受けるかどうかは慎重に判断する。

この検査をする場合、専門的な知識をもつ臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラーによる「遺伝カウンセリング」を行うことが求められている。検査のリスクや、検査でわかることとわからないこと、疾患がわかった場合の選択肢などを説明し、夫婦の相談にのる。

結果によっては、親の染色体検査やDNA検査が必要になることもあるので、遺伝外来のある病院で受けることが勧められている。

(2012年11月から掲載)