新型出生前診断NIPT/出生前診断・解説辞典

NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)とは、妊婦の血液中に混じっている胎児由来細胞を調べる出生前診断。新聞やテレビでは「新型出生前診断」と呼ばれる。ダウン症の確率が非常に高い精度でわかる。2012年から一部の病院で臨床研究として導入。 NIPT=non-invasive Prenatal Testing

時期

検査時期

妊娠10週~22週

検査結果

約2週間後

対象となる疾患

ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体異常

検査方法

血液検査

概要

ダウン症は染色体が1本多いので、妊婦の血液中に含まれる胎児由来のDNA断片の量が通常よりも多くなる。

ハイリスク群(35歳以上)を対照とした検査では、ダウン症の99.1%を検出可能(感度)、また、非ダウン症の99.9%を検出可能(特異度)という報告がある。18トリソミー、13トリソミーも同様に高い精度で検査できる。しかし、陽性という結果が出た人のうち、実際にダウン症児を妊娠しているのはおよそ8割で、残りの約2割は非ダウン症児。現段階では、あくまで「対象をしぼったスクリーニング検査」であり、確定的な診断のためには羊水検査・絨毛検査を行う必要がある。

詳細情報:「新型出生前診断は精度99.1%ではない!」

費用

約20万円

注意点

現在は、一部の医療機関で「臨床研究」のために行われている。対象は、35歳以上の妊婦、障害児をもつ妊婦などハイリスク症例に限られる。

妊婦の年齢が若い場合は、精度は低くなるのではないかと言われている。

現在は染色体の数の異常だけがわかるが、今後は性染色体の異常(ターナー症候群やクラインフェルター症候群など)や、異常な染色体と正常な染色体を合わせもつ「モザイク」も検査できるようになる。

(2012年11月から掲載)