子宮環境をよくできるのはママだけ
「妊娠中はウォーキングがおすすめ」という記事を見て必死に歩いたり、「この食べ物がお腹の赤ちゃんにいい」と聞いて同じものを食べ続けたり・・・。そんな妊婦さんが最近とても増えています。
妊娠したからといって、何か特別なことを始める必要はありません。普通の人なら、これまでどおりの日常生活の仕事や家事の中での動きで十分です。食事もしょっぱいものを控え目に、腹8分目、食材をバランスよく食べる、という原則を守ればいい。徐々に負荷がかかってゆく自分の体の変化をきちんと理解し、無理のない日常生活を送ることこそが、いちばん大事なのです。
胎児が生命活動をしている子宮は、私たちが生きている地球環境と同じ。子宮の中の状態のよしあしが、胎児の健康と発育を左右します。ですから、この子宮内環境をできるだけよくしたい――。それができるのは、ママしかいないのです。
子宮の環境をよくするための検査
子宮環境のためにできることが、もうひとつあります。妊婦健診です。昔は想像することしかできなかったお腹の赤ちゃんのことが、今はさまざまな検査によって、随分とわかるようになってきました。これらを利用することで、子宮環境をよりよくできるのです。超音波検査もそのひとつ。赤ちゃんの写真を見て喜ぶために、検査を受けるのではありません。今の自分の状態を正しく知り、しっかりと自分の心と体を律してゆくチャンスとして、妊婦健診での検査を活用しましょう。
妊娠健診で検査する項目は、時代とともに増えたり、削られたりと変わってきています。自治体によって検査の助成制度も異なり、さらに検査項目は病院によっても多少違います。費用の額や助成の有無に左右されず、検査の目的を理解したうえで、自分とお腹の赤ちゃんにとって必要と考えられる、できる限りの検査は受けておきましょう。
(2012年9月から掲載)