子宮頸がん検査:妊婦健診の検査
検査の目的
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。このウイルスは風邪ウイルスのように身近なありふれたもので、主に性行為で感染するのですが、キスや手指を介してもうつるため、年頃になれば誰でも感染する可能性があります。子宮頸がんの発生する部位は子宮の入り口部分、つまり膣に接しているため、さまざまなウイルスや細菌に接しやすい場所。このためHPVウイルスにも感染しやすいのです。
感染しても必ずがんになるわけではなく、5~10年以上の長い時間を経て、正常な細胞が徐々に変化してがん細胞に変化してゆきます。早期発見はお腹の赤ちゃんとママ自身を守ることにつながるため、平成21年度から妊婦健診の必須項目になっています。
検査で陽性と出ると、さらに精密検査を受けます。妊娠中に発見される子宮頸がんの大部分はごく初期の状態であることが多く、妊娠中は赤ちゃんを守るために何もせずに経過を観察し、出産後に定期的に検査をして治療方針をたてるのが一般的です。妊娠中の胎児への母子感染や妊娠の継続、赤ちゃんの発育に影響する心配はありません。ただし、がんの進行程度によっては妊娠の継続が難しく、赤ちゃんを早く出さないといけないケースもあります。
検査する時期
妊娠初期(4~12週)
検査の方法
ヘラやブラシなどの検査器具で子宮頸部の粘膜をこすり、細胞を採取する。
検査の内容
細胞診:採取した細胞をスライドガラスに塗り、特殊な染色をして標本にする。標本を顕微鏡で観察し、がん細胞・前がん状態の細胞(異形成)の有無を調べる。
検査の結果
正常でない判定が出たら再検査、精密検査へ。
(2012年9月から掲載)