尿タンパク・尿糖検査:妊婦健診の検査
検査の目的
尿タンパク検査は、体に必要なタンパク質が尿のなかに漏れ出てしまっていないかを測定し、腎臓機能の低下や腎臓病の有無を調べます。尿糖検査も同様、尿のなかにブドウ糖が含まれていないかをチェックし、糖尿病が隠れていないか、糖尿病になりやすい体質かどうかを検査します。
尿タンパクが陽性の場合は、腎臓の働きが低下しているサインのことがあります。一時的に低下している場合もありますが、腎臓病や妊娠高血圧症候群の初期症状のこともあり、お腹の赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼします。妊娠高血圧症候群の主な症状は、タンパク尿と高血圧。このため、妊婦健診では必ず血圧と尿タンパクを調べます。ただ、一時的に尿タンパクが陽性になることもよくあること。とくに妊娠後期に多くみられ、運動した後や食べ過ぎた後、過労や発熱、便秘などでも陽性になることがあります。
尿糖が陽性の場合、糖尿病が原因かどうかを調べます。妊娠初期から糖尿病があると、お腹の赤ちゃんに奇形が生じる心配があります。糖尿病かどうかは血糖値なども調べることで診断がつくため、妊娠初期には随時、血糖検査が行なわれます。尿タンパクと同様、妊娠後期には生理的に尿糖が出やすくなりますが、血糖値が正常なら心配はありません。
これらは、妊娠前に検査して、自分のベースの数値を知っておきたいものです。妊娠によってどれだけ負荷がかかっているのか、がわかるからです。
検査する時期
妊婦健診のたび
検査の方法
尿検査
検査の結果
陰性(-)、または陽性(1+、2+、3+)。陽性の場合は要注意。タンパク、糖、ともに量が多いと+の数も多い。
(2012年9月から掲載)