C型肝炎検査:妊婦健診の検査
検査の目的
C型肝炎ウイルスに感染している人(キャリア)を見つけ、母子感染をできるだけ防ぐのが目的です。C型肝炎ウイルスは症状が出ることが少ないため、感染に気づいていない人も多く、キャリアと知らずに妊娠している場合もあります。また、ウイルス性肝炎のなかで慢性肝炎を経て肝硬変、肝臓がんへ移行する率が最も高い肝炎です。もしキャリアなら、ママ自身の健康管理を早めに始める必要もあります。
感染の原因はB型肝炎ウイルスと同様、自分の母親からの母子感染がほとんど。ただ、B型肝炎ウイルスほど感染力は強くないため、母子感染率は低く、性交渉で感染することも稀です。
陽性の場合は肝機能検査と、体内にいるC型肝炎ウイルスの量を調べる「HCV-RNA」定量検査を行ないます。結果次第で、肝炎に詳しい内科医への受診が勧められます。「HCV-RNA」定量検査は、過去に感染したけれどすでにウイルスは持っていない人と、今もウイルスが体内に残っているキャリアの人とを区別するためのもの。この検査で陰性ならば、すでにウイルスはなく母子感染の心配はありません。
陽性の場合はキャリア。母子感染のリスクを避けるために対処します。肝炎のウイルスは分娩時に胎盤の剥離面から胎盤に入り、臍帯を通って赤ちゃんへ流入することがわかっています。そこで、赤ちゃんが娩出したら、胎盤が剥離しだす前に、すみやかに臍帯をクランプ(止め)、赤ちゃんへの血液の流入を防ぎます。
検査する時期
妊娠初期(4~12週)、妊娠後期にも行うのが望ましい。
検査の方法
血液検査
検査の内容
「HCV抗体」の有無を調べる。
検査の結果
陰性(-)、または陽性(+)。陽性の場合は、さらに「HCV-RNA」定量検査や肝機能検査を行う。
(2012年9月から掲載)