超音波検査:妊婦健診の検査
検査の目的
超音波検査は、妊娠が正常な妊娠かどうかの診断や胎児の異常の発見に、必要不可欠な検査です。検査で得られる情報はモニター画面に映像として映し出され、検査結果はその場で説明されます。
妊娠初期は膣の中にプローブという器具を入れ、子宮内や胎児を詳細に観察します(経膣超音波)。主な検査内容は、子宮内に胎嚢があるか(子宮外妊娠ではないか)、胎児の心拍が確認できるか、胎児の数、妊娠週数の確認・修正、胎児に形態異常はないか、子宮・卵巣に異常はないか、など。観察できる範囲が狭い経膣超音波での検査は、胎児がまだ小さい妊娠11~12週頃までになり、それ以降は、お腹の上から当てる経腹超音波を使います。
一般的に中・後期の経腹超音波検査は、胎児の発育を見ています。妊娠週数に見合って胎児が順調に発育しているかどうかを判断するため、必ず胎児の大きさ(推定体重)を調べます。発育が標準範囲内におさまっていれば、胎児の臓器の働きが順調に発育していると、ひとまず判断できます。しかし、そこから大きく外れている場合には、なにかトラブルがないかを慎重に診てゆきます。また、胎盤の位置や羊水の量は正常かどうか、なども確認します。
さらに必要に応じて、経膣超音波を使って子宮頸管の長さを測り、早産の危険があるかどうかを検査します。普通、子宮頸管の長さは35~40mmはありますが、25mm以下になると早産の可能性が考えられ、治療の対象となります。
検査する時期
妊娠初期:初診時(妊娠5~6週頃)・妊娠9~11週頃
妊娠中期・後期:妊娠20週、28週、34週前後
検査の方法
経膣超音波は内診台で、経腹超音波は内診台または診察用ベッドで受ける。経膣超音波は、検査用ゼリーを塗ったプローブ(検査用器具)にカバーをかけて膣内に挿入する。経腹超音波は下腹部に検査用ゼリーを塗ってからプローブを当てる。痛みはない。
検査の内容
妊娠初期/正常妊娠の確認、妊娠週数と分娩予定日、胎芽・胎児数(単胎・多胎)、胎芽心拍、胎児発育、胎盤や臍帯の位置…などを調べる。 妊娠中期・後期/胎児と胎児付属物(卵膜・胎盤・臍帯・羊水)を観察する。内容は多岐にわたる。
検査の結果
検査結果は、検査中または検査直後に、口頭で説明されることが多い。
(2012年9月から掲載)