B型肝炎検査:妊婦健診の検査
検査の目的
B型肝炎ウイルスに感染している人(キャリア)を見つけ、赤ちゃんへの母子感染を防ぐことが主な目的です。感染経路は、お産の時の母子感染、血液の混じった唾液や汗、男性の精液や女性の膣分泌物などの体液でも感染します。
B型肝炎は、肝臓に炎症が起きて肝臓の働きが低下する病気。大人になってからの感染では症状が出ない人もいますし、肝炎になっても免疫ができるため、治った後は再発の心配はいりません。
しかし、乳幼児期に感染するとウイルスが体のなかに住みついてしまい、体内にウイルスを持っていても肝炎にはなっていない、キャリアの状態になります。そのうち10~15%の人は、中高年になってから慢性肝炎、肝硬変などになりやすいと言われています。
検査で陽性が出た場合は、分娩時の対応を行い、出生後に赤ちゃんにグロブリンを接種して感染を予防します。そして、新生児期~小児期の検査やワクチンなどの対応スケジュールを作成します。また、ママ本人は将来の発症に備えて専門医と体調管理の相談をし、赤ちゃんを含めて周囲への感染予防を心がけます。
検査する時期
妊娠初期(9週前後)妊娠後期にも行うのが望ましい。
検査の方法
血液検査
検査の内容
「HBs抗原」の有無を調べる。
検査の結果
陰性(-)、または陽性(+)。陽性の場合はさらに詳しく「HBs抗体」「HBe抗原」「HBe抗体」などの有無を調べる。
(2012年9月から掲載)