胎児well-being検査(NST):妊婦健診の検査
検査の目的
「well-being」とは「良好な状態」、つまりお腹の赤ちゃんが元気かどうかを調べる検査です。血圧計測や尿検査などの妊婦健診で、胎内のことがすべて分かるわけではありません。できるだけ直接に近い方法で、お腹の赤ちゃんの状態を観察するのが「胎児 well-being 検査」。胎動のチェック、超音波検査なども含まれますが、その中で代表的なのがNST(ノン・ストレス・テスト)です。
NSTではお腹の赤ちゃんの心拍の推移を調べ、状態を観察します。妊娠経過が順調な場合は、妊娠34~36週以降に検査することが多いでしょう。赤ちゃんは子宮から何時間もかかって狭い産道を通り抜け、この世に生まれてきます。この大きな試練に赤ちゃんが耐えられるかどうか、その予備能力があるかどうかを事前に予測するのです。超音波検査による胎動の動きや羊水量なども合わせて考えていくこともあります。
お腹の赤ちゃんの元気がない、胎内環境も悪化しているかもしれない、という場合、多くは入院して詳しい検査を行い、原因を探します。原因が分かって治療で改善することもあります。また、悪化した胎内環境にいるよりも、外に出してあげたほうがいいと判断した場合は、早急に帝王切開を行います。
検査する時期
一般的に妊娠34週以降
検査の方法
おなかの表面に子宮収縮と胎児心拍をキャッチする2つの器具を装着する。胎動があったらボタンを押す。器具がずれると正しい結果が出ない心配があるので、できるだけ同じ姿勢を保つようにする。所要時間は20~40分。
検査の内容
NST(ノン・ストレス・テスト)。胎児の心拍数の推移を持続的に観察し、その変化のパターンを見る。
検査の結果
記録紙に出力、あるいはコンピューターに取り込んだ心拍波形のグラフを医師が診断する。必要に応じて他の検査を併用する。入院検査となる場合もある。
(2012年9月から掲載)