血糖検査:妊婦健診の検査
検査の目的
血糖値とは、血液中のブドウ糖の量のこと。ブドウ糖はエネルギーの源になる重要な栄養素で、その量は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きで調節されています。ところが妊娠すると、胎盤から出るホルモンがインスリンの働きを妨害し、血糖値が上がりやすい状態になります。このような、妊娠をきっかけに血糖値が高くなり、その状態が続く症状を「妊娠糖尿病」と言います。
また、もともと糖尿病になっているのを知らないまま妊娠していることもあります(糖尿病合併妊娠)。いずれもママだけでなく、お腹の赤ちゃんにもさまざまな悪影響が出てくるため、検査で発見、治療することが大切です。
高血糖が妊娠の初期からあると、流産や早産を起こす危険性があります。また、ママの糖分が移行してお腹の赤ちゃんも高血糖の状態になるため、奇形や巨大児などのトラブルが起こることがあり、難産の心配も。誕生後は低血糖、黄疸、呼吸障害などの合併症を引き起こす恐れもあります。
妊娠糖尿病と診断されたら、血糖値を正常範囲に保つ血糖コントロールを行ないます。まずはカロリーを抑えた食事療法、無理のない範囲での運動による治療を行ないますが、必要な場合は注射でインスリンを補うこともあります。
検査する時期
妊娠初期(妊娠4~12週)・中期(妊娠24~28週)
検査の方法
血液検査
検査の内容
血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)を測定。妊娠初期に「随時血糖検査」、妊娠中期に「糖負荷試験」という検査を行なうよう推奨されている。
検査の結果
「随時血糖検査」で100mg/dl以上、また食後2時間の血糖値が120ml/dl以上の値が出ると、妊娠糖尿病の可能性も。さらに「75gOGTT」という検査を行ない、最終的に診断する。
(2012年9月から掲載)