風疹検査:妊婦健診の検査
検査の目的
免疫のない妊娠初期の妊婦が感染すると、お腹の赤ちゃんも感染する心配があります(先天性風疹症候群)。ママが子どもの時に風疹にかかったり、予防接種を受けて抗体があればいいのですが、抗体は時間の経過とともに低くなったり、まれに予防接種をしても抗体ができにくいタイプの人もいます。このため妊娠初期の妊婦全員に検査します。
「先天性風疹症候群」の三大症状は、白内障、先天性心疾患、難聴です。妊娠初期の感染の時期によって症状は違い、ほかにも網膜症、肝脾腫(かんぴしゅ)、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発育遅滞、小眼球症などの症状が出ることもあります。ただし、妊娠6カ月以降になれば、ママが感染しても難聴以外は心配ないとされています。
検査の結果、陰性あるいは抗体価が低い場合は、地域で風疹が流行っていたり、風疹患者と接触すると、感染する心配があります。人ごみや子どもの多い場所をできるだけ避け、家族が風疹ワクチンを接種するなどして感染防止に努めましょう。風疹ワクチンは妊娠中は接種できません。分娩後に医師と相談してワクチン接種を。
抗体値が高い場合は、最近の感染かどうかを確かめるために追加で精密検査を行ないます。追加検査でも高い値が出た場合は、妊娠中に感染した可能性が高くなってきます。リスクの度合いはさまざまなので、主治医から、より詳しい説明や検査、カウンセリングを受け、対応していきます。
検査する時期
妊娠初期(4~12週)
検査の方法
血液検査
検査の内容
風疹抗体(HI)の有無を調べる。
検査の結果
8倍未満:陰性(抗体がない)、16倍以下:抵抗体価(抗体が不十分)、32~128倍:適度の抗体がある、256倍以上:高抗体価(HI抗体再検査、風疹lgM抗体などの追加検査を行い、最近の感染かどうかを調べる)
(2012年9月から掲載)