HTLV-I検査:妊婦健診の検査
検査の目的
HTLV-Iというウイルスは、成人期以後に起こる血液がん(成人T細胞白血病)の原因となるウイルス。潜伏期間が長く、感染から40~60年後に発病することが多いとされています。一度感染すると生涯体内に居続ける性質があるのですが、感染したキャリアの人がみんな発症するわけではありません。ほとんどの場合、何の症状もなく一生を過ごすことが多いのですが、いったん発症すると厳しい闘病生活を強いられることになるので、ぜひとも予防したい病気です。
主な感染ルートは、ママから赤ちゃんへの母乳を介した母子感染です。このため、妊娠中に検査をして感染が分かれば、ママはそのリスクを知ってミルク育児にすることで、赤ちゃんへの感染を防げます。また、このウイルスは感染力が非常に弱く、母乳以外、風邪ウイルスのように咳やくしゃみでうつすことはまったくありません。
検査する時期
妊娠後期(30~32週頃)
検査の方法
血液検査(PA法もしくはCLEIA法)
検査の内容
「HTLV-I抗体」の有無を調べる。
検査の結果
陰性(-)、または陽性(+)。一次検査が陽性(+)の場合、疑陽性の可能性もあるので、確認検査(ウエスタンプロット法)を行ない、陽性か陰性かを決定する。
(2012年9月から掲載)