トキソプラズマ検査:妊婦健診の検査
検査の目的
トキソプラズマの正式名は「トキソプラズマ原虫」といい、多くの動物や鳥が持っている寄生虫の一種。動物(とくに猫)の胎内や排泄物、土の中などにいることがあり、人にも感染します。感染しても大人であれば症状はめったに出ませんが、胎児は違います。
妊娠中にママが初めてトキソプラズマに感染し、母体から胎児に感染すると、運動発達や精神発達の遅れ、視力障害などのトラブルが起こる心配があります(先天性トキソプラズマ症)。早期発見と治療で重症になるケースを減らすことができます。
妊娠する前に感染して陽性結果が出た場合は、胎児に感染する心配はありません。ただし、最初の検査で高値が出た場合、それが妊娠前なのか妊娠してからの初感染なのか、感染時期までは分かりません。このため、陽性だから安心というわけではなく、疑わしい場合はさらに詳しい検査が必要となります。
陰性の場合は、検査した時点では感染していませんが、これから感染するかもしれません。母子感染で心配なのは、「妊娠中の初感染」。主な感染ルートは、ペット(ネコ)の世話、土いじり(野良ネコの糞)、生肉や半生の肉類、生ハム、サラミなど。手洗い励行、これらの食品を避けるなどして、注意しましょう。もし、妊娠後の初感染と分かったときは、ママがアセチルスピラマイシンという薬を飲みます。これによって感染を防ぎ、赤ちゃんのトラブルの重症化を防ぐことができます。
検査する時期
妊娠初期(4~12週)
検査の方法
血液検査
検査の内容
トキソテスト(IHA、LAなど)で、トキソプラズマ抗体の有無を調べる。
検査の結果
陰性(-)、または陽性(+)。陽性の場合、妊娠後の初感染かどうかを確かめるために、詳しい検査を行なう。
(2012年9月から掲載)