内診・膣鏡診検査:妊婦健診の検査
検査の目的
内診台に上がって受ける検査すべてを「内診」と思いがちですが、じつは医療現場で言う「内診」は、膣内に指を入れ、膣内とお腹から触診することを指します。内診の目的は妊娠週数によって違いますが、初診時は子宮の大きさや形、硬さ、子宮外妊娠ではないか、子宮筋腫や卵巣の腫れがないか、などを調べること。いっぽう妊娠中期・後期の内診は、流産や早産のリスク、感染症を見つけるのが主な目的です。ただし医師や病院によっては、内診による刺激で流産や早産を起こすことがあるとの考えから、妊娠経過が順調ならば、異常がない限り行なわない場合もあります。
膣鏡診は、膣鏡(クスコ)という器具を挿入して膣内を広げ、医師が目で直接、膣や子宮頸管などを観察する検査です。これによって膣内部の炎症や傷、びらんやポリープの有無、おりものの異常などを調べることができます。また、子宮の外側の入り口(外子宮口)が開いてきていないかを観察することで、流産や早産の兆候も分かるため、検査時期に応じて内診と膣鏡診を一緒に行なうこともあります。
検査する時期
初診時、妊娠20週前後、24週頃、30週頃、37週以降など。各医療施設によってスケジュールが異なる。
検査の方法
内診は、指による膣からとお腹からの触診。膣鏡診は、膣鏡(クスコ)という器具を使って視診する。
検査の内容
妊娠週数によって検査項目はいろいろ。初診時は主に子宮の大きさや硬さ、子宮筋腫の有無など。妊娠中期・後期は分泌物の性状、子宮頸管の状態、子宮口の開大、胎児の下降度など。
検査の結果
内診だけの検査結果というのはとくになく、内診によって病気や異常が疑われる時は、膣鏡や超音波検査などを併用して、診断する。
(2012年9月から掲載)