1月:お正月
お正月って、なに?
お正月の「正」という字には“初め”“あらたまる”という意味があります。1月は年があらたまった初めての月なので「正月」といいます。
また、「元旦」とは1月1日の朝のこと。1月1日から3日までを「三が日」、7日までを「松の内」といいます。
古くから正月にはその年の新しい神様がおりてくると考えられていて、神様をお迎えするために、家の内外を清めて飾り付けをします。
そして、その年の五穀豊穣、家内安全、平穏無事を祈ります。気持ちを新たにスタートさせるためにも、わが家流の飾り付けで、家族の幸せを祈りましょう。
お正月料理
おせち
神にお供えする、おめでたい料理の詰め合わせが「おせち」。正月に「おせち」を食べるのは、神に供えたごちそうをみんなでいただき、無病息災と家内安全を祈願するという意味があります。
伝統的な「おせち」は四段重ねの和食が正式ですが、最近は洋風や中華風などバラエティ豊か。手作りできれば最高ですが、何かと忙しい年末。家族の好みや人数分に合わせて、単品を買ってきてお重に詰めたり、ちょっと高価だけどデパートや専門店で注文し、楽チンお正月もいいかも。
祝い箸
お正月は新しい柳のはらみ箸を使います。はらみ箸というのは、中央がふくらんでいる箸で、子孫繁栄を意味しています。
両側が細いのは、一方が神様の口用で、もう一方が人間の口用だから。柳の箸は香りもよく「邪気を払い、長寿をもたらす」といって、祝い事の席で使われます。
お屠蘇
お屠蘇(とそ)は中国から伝来した薬草酒で、元旦の朝、家族揃って最初に飲み、無病息災を願います。お屠蘇の薬効は、山椒(さんしょう)、陳皮(ちんぴ)、桂皮(けいひ)、桔梗(ききょう)など。
大晦日の晩に細かくしたものをみりんやお酒に入れてエキスや香りを出しておきます。年末になると、薬局などでお屠蘇のパックなども売られているので、試してみましょう。
お雑煮
大晦日の夜に年神様に供えた餅や野菜を、元日の朝に下げ、みんなで食べたのが雑煮の始まり。地方によってもちの形が違ったり、合わせる具や味付けもいろいろ。家族の好みに合わせた雑煮で新年を祝いましょう。
お正月のイベント
初詣
初詣(はつもうで)は、新年の初めに寺や神社にお参りをして、1年の無事を祈る行事。大晦日に一家の主人が徹夜で氏神様の社にこもり、身を清めて家族の無病息災を願った「年ごもり」の名残と言われています。
最近では除夜の鐘がなり終わったらすぐに、初詣に行く人が多くなりました。でも、参拝は元旦でなくてもOK。松の内の7日までにすませればいいんです。お天気のよい日に少しお洒落をして、家族で出かけてみましょう。
年始回り
実家や親戚、仲人、上司など、日ごろからお世話になっている人の家を訪問し、新年の挨拶に行くこと。元旦は家族だけで過ごす日とされているので、年始回りは2日から。暮れの内に先方の都合を聞いておきましょう。
親しい人以外は玄関先で失礼するのがマナーです。持参するお年賀はお歳暮を贈ってある場合は、お菓子やタオルなど、名刺がわりになるものでOK。「お年賀」の熨斗(のし)を忘れずに。
お年玉
子どもたちにお年玉を贈る習慣は、昔、年神様に供えたお餅を子どもたちに分けたのが始まりです。子どもに渡すお年玉は、あまり高額になりすぎないように気をつけて。また、お年玉は目下に渡すものなので、両親に贈る場合は「お年賀」と書いて渡しましょう。
書き初め
年が明けて初めて書や絵を書くことで、2日に行うのが一般的。字や絵の上達を願います。
初夢
1月2日の夜に見る夢で、一年の吉凶を占います。「一富士、二鷹、三なすび」と聞いたことがあると思いますが、これが吉夢の代表テーマ。縁起のいい夢をみるには宝船の絵を枕の下に入れて寝るといいそうですよ。翌日は家族の初夢発表会をすると楽しいですね。
お正月の飾りつけ
門松
神様が最初に降りてくる目印となるのが門松。そう聞くと、玄関脇に飾りたくなりますね。寒い冬でも青々とした松、天までまっすぐに伸びる竹、香りのいい梅など、縁起のいいものばかりを組み合わせて作ります。
しめ縄
しめ縄を張った場所の内と外を分けて、内側はけがれのない神聖なエリア。神社や神棚にあるように、神様を迎え入れる場所になります。お正月は、玄関のドアのところなどに付けて、我が家を俗世の不浄から守りましょう。
鏡餅
鏡餅の丸い形は人の心臓(魂)を表しているとか。また、神様にお供えした鏡餅を食べると、新しい生命力が授けられるという言い伝えがあります。
お正月の遊び
お正月ならではの遊びを、家族で楽しみましょう。長く受け継がれてきたシンプルな遊びだから、すぐにみんなで楽しめて和気あいあい。家族の絆、親戚の絆、友だちの絆をきっと感じられることでしょう。
羽子板
コンコンと打つ音が災難や邪気を払うと言われ、お正月には女の子に羽子板が贈られました。食べ過ぎのお正月、羽子板の軽い運動で腹ごなしを!
凧揚げ
凧揚げ(たこあげ)は、男の子が無事に育つようにと願いをこめて初正月や初節句に上げたのがはじまり。近頃は凧揚げできるスペースも少なくなったけど、広い河川敷などに行って、揚げてみたいですね。大空に舞う凧に、夢をのせて。
カルタ・百人一首
ことわざや歌に見合うカードをいち早く取ったものが勝ち!日本語のリズムの美しさや、豊かな表現力が、知らず知らずに刻まれますね。
福笑い
目隠しをして、輪郭だけの顔のところに、目、鼻、口のパーツを勘で置いて、顔を作っていく遊び。タレ目だったり、口がまがっていたり、出来上がったヘンな顔をみて、みんなで笑って楽しみましょう。笑う門には福来る!
独楽(こま)まわし
江戸時代には大道芸だったという独楽まわし。遊び方もいろいろ。色、形、模様など、さまざまな意匠を凝らした独楽にはアートの一面も。誰が一番長くまわせるかを競ったり、相手の独楽をはじき飛ばして勝負…。みんなと仲よく遊べる、やんちゃな子どもに育つといいですね。
すごろく
さいころを振って、出た目の数だけコマを進めてゴールを目指します。コマを進めてピンチになったり、思わぬラッキーが舞い込んだり、みんなで一喜一憂して楽しみましょう。