9月:お月見
お月見って、なに?
中国では旧暦の7月を初秋、8月を中秋、9月を晩秋といい、その月の満月を拝み、楽しむ風習がありました。なかでも8月15日の満月は、一年中でいちばん明るく美しいとされ、「中秋の名月」と呼んで、月を愛で宴を楽しんでいたそうです。
この風習が日本に伝わったのは平安時代だといわれています。当初は貴族の間で楽しまれていましたが、やがて庶民の間にも広まり、江戸時代には、豊作祈願のお祭として定着。収穫したばかりの作物や団子を供え、神に感謝するスタイルが生まれました。
お月見は8月の「十五夜」が有名ですが、実は9月の「十三夜」の両方を行なうのがしきたりで、片方だけ観賞するのは“片見月”といって避けたそうです。秋のイベントとしてぜひ2回のお月見を楽しんでみましょう。
旧暦をいまの新暦に置き換えると、年によって日にちは変わりますが、十五夜はだいたい9月中旬ごろ、十三夜は10月中旬ごろになります。お産や女性の生理にも深くかかわっているお月様に、心を寄せてみましょう。
芋名月、栗名月とは
関西では8月の十五夜を「芋名月」ともいいます。秋の旬の作物として、里芋をお供えしたことからそう呼ばれるようになりました。
これに対して、旧暦9月13日頃の月を「十三夜」「後の月」「名残りの月」といいますが、 こちらもちょうど食べ頃の栗や枝豆を供えたことから、「栗名月」「豆名月」などとも呼ばれています。
飾りつけは?
月見団子は神様へのお供え物。8月の「十五夜」は団子を15個、9月の「十三夜」は13個を大皿にもりつけます。
その他、さつま芋や里芋を蒸かしたものや、なしやぶどうなど季節のくだものを彩りよくコーディネートしましょう。かたわらにすすきなど、秋の七草を取り入れたフラワーアレンジで風流に。
もちろん月見団子は月を愛でてから、おいしくいただきましょう。
秋の七草
- 萩(ハギ)
- 桔梗(キキョウ)
- 葛(クズ)
- 藤袴(フジバカマ)
- 女郎花(オミナエシ)
- 尾花(オバナ…ススキのこと)
- 撫子(ナデシコ)