10月:神無月
神無月って、なに?
日本には1月~12月まで、旧暦の和名があります。
- 1月睦月(むつき)
- 2月如月(きさらぎ)
- 3月弥生(やよい)
- 4月卯月(うづき)
- 5月皐月(さつき)
- 6月水無月(みなづき)
- 7月文月(ふみづき)
- 8月葉月(はづき)
- 9月長月(ながつき)
- 10月神無月(かんなづき)
- 11月霜月(しもつき)
- 12月師走(しわす)
どの月も情緒のある素敵な名前ですが、中でも、とくに興味深い由来があるのが10月の神無月です。今からおそよ1300年余り前に書かれた、「古事記(こじき)」という書物に、日本の国がつくられる前のはるか昔の神様の物語が書かれています。
その神話によると10月は日本中の神さまが出雲(いずも)の国(現在の島根県)に集まって年に一度の会議を行う月。そのため日本中の神社の神様が留守になるので、神様がいない月、神無月と呼ばれるようになりました。反対に神様が集まる出雲の国では、10月を神在月(かみありづき)と呼びます。
出雲の国で会議が開かれる理由
出雲の国を守る大国主神(おおくにぬしのかみ)は日本の国をつくった父神様で、大黒様の名前でも親しまれています。
大国主神は、人々の幸せを守るため、自分の子どもたちを全国各地に配置し管理させました。子どもたちは年に一度出雲大社にもどり、父親である大国主神にその年の出来事を報告し、来年の予定を話し合います。後に大国主神系以外の神様も一緒に出雲へ集まるようになり、会議が行われるようになりました。
会議のテーマは?
人々を幸せに導く運命について話し合われます。なかでも誰と誰を結婚させるかなども、この会議の重要なテーマ。運命の赤い糸は、この会議によって操られているのかもしれません。そのため、出雲大社は縁結びの神様としても信仰されています。
神在祭(かみありさい)
この会議はまず旧暦の10月11日~17日までの間(年によって日が異なることも)出雲大社で開かれ、引き続き旧暦の10月26日まで佐太(さだ)神社で行われます。
出雲地方ではその間、全国の神々をお迎えする神迎祭(かみむかえさい)、人々の更なる幸縁をお祈りする神在祭(かみありさい)、神々が各地へお帰りになる神等去出祭(からさでさい)など、神秘的で厳かなお祭りが行われます。