4月:花祭り
花祭りって、なに?
4月8日はお釈迦(しゃか)様の誕生日。お釈迦様の像に甘茶(あまちゃ)を注いでお祝いします。
この行事を仏教用語では「灌仏会(かんぶつえ)」といいますが、さくらの花が満開の時期にあたるので、「花祭り」という名前で親しまれるようになりました。
祭りの開催日は4月8日~5月8日。地域によって異なります。
お祝いの仕方は?
お祭り当日は、お寺の境内に「花御堂(はなみどう)」という花で飾った小さなお堂が設けられ、中にお釈迦様が祭られています。そばに置かれている竹のひしゃくでお釈迦様の頭から、甘茶を3回注いでから拝むのがならわし。甘茶を注ぐときは日ごろの幸せを感謝し、家族の健康を祈りましょう。
また、お釈迦様にかける甘茶は、神様のパワーが宿った霊水。拝んだ後は水筒にいただいて持ち帰り、家族全員で飲んで厄除けをします。ちなみに甘茶とはユキノシタ科のアマチャを煎じたもので、麦茶に似た色をしていてとても甘くておいしい飲み物です。
気温が上がり、虫が多くなってくる季節です。甘茶で墨をすり、虫よけのおまじない(千早振る卯月八日は吉日よ神さげ虫を成敗ぞする)を書き、玄関や柱、壁などに逆さまに貼っておくと、悪い虫が寄りつかないといわれています。
なぜ甘茶をかけるの?
甘茶はお釈迦様の“産湯”なんです。伝説では、お釈迦様は誕生してすぐに歩きはじめ、右手で天を、左手で地を指さして「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と叫んだそう。これを見た9頭の竜が、喜びのあまり天から「甘露の雨(甘く香る清らかな水を)」注いで産湯を使わせたと伝えられています。
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」の意味にはいろんな説がありますが、「この世に生きる人々は、ひとりひとりかけがえのない尊い存在です」という解釈が一般的。わが子も、よその子も、私たち自身もみんな「♪世界に一つだけの花」なんですね。